About me



『静と動』

フィンランドと私の出逢いはさかのぼること約4年半前。
手織り作家活動と基礎指導の傍ら、10年以上のブランクの後、空港旅客サービス職、いわゆる国際線グランドスタッフの仕事を再開し、たまたま担当することになったのがフィンランドの航空会社。
自分と向き合う創作活動の世界が「静」ならば、迅速で機敏、的確な対応が求められる航空業界、空港の仕事はまさに「動」。
この両方によって、自分自身にバランスが働く気がしてのことです。
空港島の眩しい日差しに輝く白を基調にブルーを配したフィンランドカラーの機体は、間近で見る迫力とともに、どんなに忙しくても清々しい気分にさせてくれました。
そして、フィンランド人クルー達の落ち着いた物腰。
仕事柄耳に目にする観光、自然、デザインなどの魅力的なフィンランド情報。
いつかは私もこのフライトでフィンランドの地を訪れたいと思うようになりました。


『初・フィンランド』

ラッキーなことに社員用チケットを手にする機会がやってきました。
当時スウェーデン留学中の友人とオーストリア・ウィーンで落ち合い、ヘルシンキにも立ち寄る旅行計画を立て、いざ出発。
ミュージカルを通じて憧れたオーストリア皇后エリザベートのウィーンは感慨深く、ヘルシンキの夏は爽やかな空気と穏やかな街並み、トラムがどこか懐かしい京都を思い出させる親しみ感じる印象でした。
その居心地のよさが再び私をフィンランドへと誘うことになるのです。


『テキスタイルデザイン&アート・インターンシップ研修』

幼い頃から海外に住みたいと思っていた気持ちが一気に再浮上。
初渡芬の翌年、9ヶ月間のテキスタイルデザイン&アートのインターンシップ研修に向け再びフィンランドへと旅立ちました。
一般的には、人生の遅い時期での旅立ちです。
日本で経験した手工芸としてのテキスタイルから、Ammattikorkeakoulu ( University of Applied Sciences/応用化学大学)の現場における産業テキスタイルデザインの世界へ。
制作におけるスタートの視点・観点の違い、コンピュータ使用のデザイン技術、フィンランド流ワーキングスタイル・教育・指導、フィンランド伝統衣装に用いられてきたヴィンテージ・ストライプの新しいデザインを手掛ける機会、日本の花ござを再現した手織りオーダーなど、さまざまなことを学び経験しました。
大学の夏休み期間中には、ノルディック・アワード受賞テキスタイル・アーティストSilja Puranenをはじめ、Virpi Vasanen-Laukkanen、ドレスメーカー兼経営者のもとで研修。
フィンランドの人々の生の暮らし、各アーティストの素晴らしい人間性、個性、感性と創作技術を肌で感じる他ならない貴重な夏でした。
この9ヶ月間を振り返ると、凝縮された濃厚なとき、多くの出逢い、世界中の大切な友人たちに恵まれ、世界とつながる自分になるという一つの目標を達成できたのではないかと思います。
フィンランド語の習得は簡単にはいきませんでしたが、結果としてこの年齢であっても英語の上達には成果があったと思います。
私も含め日本人が苦手なオーラル・イングリッシュ上達には「習うより慣れろ」が有効だと実感します。

年老いた父を日本に残す心配、続けてきた工房の運営を離れることなど、自分自身の準備だけではない相当な労力を要し、周囲への説得も容易であったわけではありません。
それでも出発へと漕ぎ着け、やり遂げられたのは、勇気と意志、周囲の理解と協力があったからこそ。感謝しています。




続きは編集中!
To be continued!